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Japanische Klassiker mit Furigana

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いっぽんのはな

一本の花

宮本 百合子

Lesen Sie 一本の花 (いっぽんのはな) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.709 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなこと云っちゃ、何も出来ませんですよ。これだってないより増しなんですから」

と、とり合わなかった。社会事業全般、ないより増しの標準でされているらしかった。

川島が叱られたということ、それも、この働き会の方に関係していた。

W大学へ通いながら、庶務に働いている川島が宿直のとき、小使室で、働き会の小谷という女としゃべっていた。そこへ、諸戸が外から帰ってきて、翌日川島を呼びつけ酷く詰問したのであった。

川島は、小心そうに眉の上に小皺をよせ、

「びっくりしちまった、――とても憤慨して罷めさせそうなことを云うんだもん」

と苦笑した。

「一体何時頃だったの?」

「八時頃ですよ」

伊田が朝子に、

「小谷さんて人、知りませんか」

と訊いた。

「さあ……河合さんなら知ってるけれど」

「ふ、ふ、ふ」

伊田も川島も笑った。

「――色白な人で……幾つ位だい? もうよっぽど年とってるんだろう?」

「三十位なんだろう」

弱気らしく川島が答えた。

「何でもないなあ、解ってるんだけれど……その時だって。話しでもすると思って、いやな気がしたんだろう」

「この頃馬鹿にやかましくなっちゃったね、こないだ矢崎さんもやられたらしいよ」