Japanische Klassiker mit Furigana
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いっぽんのぎんのはり
一本の銀の針
小川 未明
Lesen Sie 一本の銀の針 (いっぽんのぎんのはり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.687 Zeichen · 10 Bildschirme
三
「お手を引いてあげましょう。」
「いいえ、おぶってもらいましょう。」と、おばあさんは、頭を振っていいました。
妹はしかたなく、苦心をして、そのおばあさんをおぶって、ようよう橋を渡ることができました。すると、盲目のおばあさんは、もう白くなった髪の毛を探って、その中から一本の銀の針を取り出しました。
「この針は、不思議な、どんな願いごともかなう針だから、これをおまえさんにお礼としてあげる。けっして、みだりに他人にやったり、見せたりしてはならぬ。」といって、おばあさんは銀の針を妹にくれました。
妹は、喜んで家に帰りました。そして、その晩に、おじいさんが帆を縫うてつだいをして、おばあさんからもらった銀の針で、どうか兄さんが無事に帰ってきてくださるようにと祈りながら縫いました。細い銀の針では、厚い布がよく通りそうもないのに、よく通りました。不思議な針だから、きっとおじいさんの造ってくださった帆は、けっして、風にも、雨にも、破れないであろうと思いました。
三
真っ白な帆が、でき上がって、それが船に張られたのです。そして、ある朝、若者は、妹や、おじいさんに見送られて、この海岸から沖をさして船出したのであります。