Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひとつぶのあわ

一粒の粟

宮本 百合子

Lesen Sie 一粒の粟 (ひとつぶのあわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.083 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

をしているが好い」

其処へ折よく撥を持った主人の子供が来たので、五色の太鼓は益々活気付いて、黙っている粟を罵った。

「さあ始めるぞ、俺の声を聞かされてからいくら平あやまりにあやまっても勘弁はしないからな」

そう云いながら、太鼓は打たれるままに、全力を振絞って大声をあげた。小さい癖に落付き払っている粟の奴の胆を潰させようとして、太鼓は体中に力を入れてブルブル震えながら遠方もない叫声をあげてたのである。

けれども、一二度叩くと、子供はもういやだと云って打つのを止めてしまった。太鼓が余り大きな見っともない声を出すので、子供は嫌いに成ってしまったのだ。そして、撥も何も捨てたまま何処へか行ってしまった。其処で太鼓は又粟に食って掛った。

「おい、どうだ俺の声を聞いたか、素晴らしいだろう――何故黙っている、何とか云うものだ」

「大きな声ですね貴方の声は。然し私の声とは違います」

「何故羨しいと正直に云わないのだ。負け惜みの強い女々しい奴だな。もう一遍歌ってやるから、今度こそ聞いて置け」

太鼓は、自分は誰かに叩かれなければ、声の出せないのを忘れて、体中に力瘤を入れて意気込んだが、勿論音の出る筈はない。