Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとあしおさきに

一足お先に

夢野 久作

Lesen Sie 一足お先に (ひとあしおさきに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.200 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

その中に副院長は青木の方へ向き直った。

「ハーア。足の夢ですか」

「そうなんです。先生。私も足が無くなった当時は、足の夢をよく見たもんですが、新東さんはきょう初めて見られたんで、トテも気味を悪がって御座るんです」

「アハハハハ。その足の夢ですか。ハハア。よくソンナ話を聞きますが、よっぽど気味がわるいものらしいですね」

「ねえ先生。あれは脊髄神経が見る夢なんでげしょう」

「ヤッ……こいつは……」

と柳井副院長は、チョット面喰ったらしく、頭を掻いて、苦笑した。

「えらい事を知っていますね貴方は……」

「ナアニ。私はこの前の時に、ここの院長さんから聞かしてもらったんです。脊髄神経の中に残っている足の神経が見る夢だ……といったようなお話を伺ったように思うんですが」

「アハハハハ。イヤ。何も脊髄神経に限った事はないんです。脳神経の錯覚も混っているでしょうよ」

「ヘヘーエ。脳神経……」

「そうです。何しろ手術の直後というものは、麻酔の疲れが残っていますし、それから後の痛みが非道いので、誰でも多少の神経衰弱にかかるのです。その上に運動不足とか、消化不良とかが、一緒に来る事もありますので、飛んでもない夢を見たり、酷く憂鬱になったりする訳ですね。