Japanische Klassiker mit Furigana
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まんのし
万の死
小川 未明
Lesen Sie 万の死 (まんのし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.457 Zeichen · 9 Bildschirme
「どうも、このごろの万はおかしい。はっきりとはいえぬが、ばくちをするんでないかな。」と、一人が、分別ありげに頭をかしげると、
「いや、あの堅い男にかぎって、ばくちはしまい。それにしてもおかしいことだ。もうちっと、だまってようすを見ていよう。」
「おまえさんのところから、いくら借りたんだね。」
「なに、たいした金でない。それだけおかしいのさ。返そうと思えば、いつだって返せるのを……。」
こうして、万について話をする人たちは、いずれも村で金のある地主とか、物持ちとして知られてる人々でした。これを見ても、万は、金を借りるのに、金のありそうな人たちだけをねらったものとみえました。このことは、その日その日を働いて暮らさなければならぬものには、どういう事情があっても、万は、無心をたのむ気になれなかったのでしょう。それであるから、万は、だんだん金持ちからきらわれるようになったのもしかたがありません。しかし、彼の勤勉な生活ぶりは、だれの目にも、いままでと変わったとは見えませんでした。
その日も、万は役場から帰ると、すぐ山へたきぎを取りに出かけました。うす寒い、雨もよいの日で、彼は暗くなってから、雨にぬれながら、重い荷を負って家へもどりました。