Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのうそ

三つの嘘

豊島 与志雄

Lesen Sie 三つの嘘 (みっつのうそ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.740 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

暫くして、二英が眠そうな眼をしばたたきながらやって来ますと、元は両手を組んでじっと佇んでいました。

元はじろりと見やっていいました。

「私がいつ死ぬか分らぬ身体なのに、お前はなんということだ、寄りつきもしないで、馬ばかり買いたがっているというではないか。ばかな。これからは断じて許さない。金がいるなら、ここに五千金あるから持ってゆくがよい。ただ、ことわっておくが、私が死にかけているというのは、あれは嘘だ。私の身体には少しのひびもはいっていない。」

「え、本当ですか、お父さん。それなら安心です。馬でも自動車でも存分に走らせることが出来ます。これから早速遠乗りに出かけましょう。お金はいただいていきます、有難うございました。」

二英は金を掴んで、惘然としている元を残して、駆け出していきました。

暫くして、三英が小鳥のような眼付をしてやって来ますと、元は卓子に両肱をついて掌で頭をかかえていました。元は急につっ立って、三英をじろりと見ましたが、くるりと向きなおり、窓から遠い空の方に視線をやりながら、いいました。

「私が家の血統のことをいろいろ思い悩んでいるのに、お前はなんということだ、寄りつきもしないで、侍女の美喜と手を取り合って泣いたりしているというではないか。