Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのめがね
三つの眼鏡
夢野 久作
Lesen Sie 三つの眼鏡 (みっつのめがね) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.731 Zeichen · 4 Bildschirme
と思ってメソメソ泣いておりましたが、その中に不図、最前お父さんが、「そんなにお母さんに会いたければ、その眼鏡を三つともかけて探してみろ」と云われた言葉を思い出しました。
武雄さんは眼鏡を取り出して三つとも掛けて見ました。けれどもいつまで待っても何も見えません。しかし他にあてもありませんから、眼鏡をかけたままくら暗の中にじっとして、お母さんが見えるのを待っておりました。
すると不思議や、くら暗の中になつかしいなつかしいお母さんの姿がありありと見えて来ました。お母さんは悲しそうな顔をして、こうおっしゃいました。
「武雄や、お前はお母さまがいないからといっていたずらをするならば、私はもうお前を児と思いません。お前がお母さんの事を忘れないように、私の心もお前の傍へいつまでもつきまとうております。どんなに蔭でわるい事をしていても、お母さんはちゃんと見ております。お前がわるい事をすればお母さんが笑われるからです。このことを忘れないで、どうぞよい子になってちょうだい。よいか、武雄さん、忘れてはなりませんよ……」
と云ううちに、みるみるお母さんの姿は消えて見えなくなりました。