Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんのじりょこうかい

三の字旅行会

大阪 圭吉

Lesen Sie 三の字旅行会 (さんのじりょこうかい) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.658 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

或る日のこと。赤帽溜で昼飯を食べていた伝さんのところへ、降車口の改札係の宇利氏が、ひょっこりやって来て、いきなり云った。

「伝さん。お前さんは赤帽の親分だから、知ってるかも知れないが、毎日三時の汽車で一人ずつやって来て、いつも同じ男に出迎えられて行く女のお客さん達があるようだが、知ってるかい?」

「ええ、知ってます」

「どうだい、何かおかしなところがあるとは思わないかね?」

そこで伝さんは弁当を置くと、口の中のものをゴクゴク呑み込んで、やおら向き直り、

「大有りですとも。三の字旅行会の因縁咄という奴で……。知っているのはこのわしだけ。しかも口止めされているんですが、宇利さんになら、こっそりお話してもよござんしょう」

もう伝さんは、そろそろ心中の得意を、誰かに聞かせてやりたく思っていた矢先だったので、宇利氏の突然の質問に、わけもなく調子込んで、先日案内人から聞かされた話を、残らず得意になって喋ってしまった。すると聞き終った宇利氏は、ニッコリ笑いながら立上って、

「有難う。ところで、伝さん。折入って頼みたいのだが、今日の三時に、改札の僕の側へ立っていて貰えまいか。