Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんりょうせいべえとめいばあさづき

三両清兵衛と名馬朝月

安藤 盛

Lesen Sie 三両清兵衛と名馬朝月 (さんりょうせいべえとめいばあさづき) von 安藤 盛 (あんどうさかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.144 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

「さア、いまだ、首よりもまず飯だ、飯だ!」

清兵衛は、うき足立った敵陣へ、まっしぐらに、朝月をおどりこませ、左右につきふせた敵兵の腰をさぐり、一袋の粟を発見すると、

「朝月、飯だぞ飯だぞ」

と、せわしく食わせて、自分も生の粟をほおばるのだった。

「さア――」

と、朝月に、ふたたびまたがり、乱軍の中にかけこもうとした。

「倭奴、待てッ」

えんえんともえあがる猛火に、三尺の青竜刀をあおく輝かし、ゆくてに立った六尺ゆたかの明兵があった。

「そこどけッ」

清兵衛は粟をくって、元気が出かかったところである。槍をひねってつきふせようとすると、ひらりとそれをはずした明兵は、かわしざまに、その槍の千段まきを、ななめにきり落とした。

「しまったッ」

からりと槍の柄をすてた清兵衛は、大刀をぬきはなって斬りおろせば、明兵は、左の鎧の袖でかちりと受けとめた。傷を負わなかったところをみると、よほどいい鎧であった。これには清兵衛も、いささかおどろいているところへ、すかさず明兵はうちかかってきた。

朝月は高くいなないて、あと足立ちになり、その明兵を前肢の間にだきこもうとする。

「えい」

ぐっとたづなを左手にしめて、清兵衛は二の太刀を討ちおろす。