Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
誰がそんな恐ろしい疑惑をもって、自分の裸身の隅から隅まで検べてみた者があろうか。第一、自分ではどうしても十分に観察の出来ない身体の一部が有るではないかと思うと、妾の心臓は俄かに激しい動悸に襲われたのであった。
8
そのような悩みに、独り苦悶しているその最中に、妾はまた一つの大きな愕きを迎えなければならなかった。
「ああ、奥様。お客さまでございますが……」
とキヨが顔色を変えて妾の居間に駆けつけた。
「まアどうしたのよオ。お客さまって、誰れ?」
「それが奥さま、いつか夜分にいらっして、名前も云わずにお帰りになった若い紳士の方でございますよ。忘れもしません、あれは真さまがお亡くなりになった晩でございましたわ」
「えッ、あの晩の人が!」
妾はハッと駭いた。妾によく似ているという紳士のことなのだ。あんなことを云い置いていったが、二度と来るものかと思っていた。妾は未だにその紳士が、真一を殺害したのではないかとさえ思っている位だ。その怪しい紳士が、チャンと予告どおりに訪ねてきたというのだ。悪人であろうか。善人であろうか。ちかごろ驚きやすくなった妾は、もうワクワクとして何の考えも纏らなかった。