Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
だがなぜにそんな煩わしいことを繰返す必要があったのか、どうも妾の腑に落ちかねる。
この紅いリボンのカンカンはよほど妾のはらからの気に入ったものらしく、或る日妾が何の気もつかずいつものような紅いカンカンを結んで座敷牢に近づくと、座敷牢に寝ていた幼童はさも待ちかねたという風に、いつになく頭を振っていまだ一度も見たことのないほど悦び騒いだ。妾は何ごとが起ったのだろうと訝しく思っていると、傍に附添っていた母が、
「ホラ珠ちゃん(妾の名、珠枝というのが本当だけれど)――このカンカンをみておやりよ……」
と妾に云うので、それで始めて気がついてよくよく幼童の髪を見ると、向うでも髪に、妾と同じような紅いリボンを、数も同じく三つつけていたのであった。
「カンカン。……」
と廻らない舌で叫び、あとはキャーッというような奇異な声をあげて、彼女――カンカンを結って喜ぶのだから、まさか「彼」ではあるまい、「彼女」にちがいあるまい――妾と同じカンカンをつけているというので、たいへんな悦びようであった。母はいつも彼女の背後に坐り、その頭の後方にある真黒な切布を覆った枕とも蒲団ともつかない塊の上に手をかけて、妾たちを見守っているのであったが、このカンカン競べのあったときは、どうしたものかその黒い切布をかぶったものがまるで自ら動きでもしたよう