Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
貞雄は気の毒そうな顔つきで、妾をしげしげと見ていた。そのとき妾は、いままで忘れていた大事なことを思い出した。それはいつかも考えたことであるが、ひょっとしたら妾の身体には自分で観察することの出来ない箇所に異常な徴候が印せられているのではあるまいか。それを専門的知識をもって十分に診察してくれる適当な医師としては恐らく目の前に居る此の貞雄の外にないということを感じた。それで妾の胸のうちには、それを確めて貰いたい嵐のような願望が捲き起ったのである。
「ねえ、貞雄さん、妾、医師である貴方にとても重大なお願いがあるのよ。――」
「医師である僕に、どんな願いがあるというのかネ」
妾はそこで思いきって全身に亘る診断のことを頼んでみた。一つには異状又は異状の痕跡の有る無しのこと、もう一つには妾の懐胎の機能が健全であるか不健全であるかということ、この二つについて早速検べてくれるように頼んだのであった。
「よろしい。そんなことは訳はないことだ。では明日道具を揃えて来て、やってあげよう」
といった。妾としては非常に重大なことを、彼があまりに手軽に引受けてくれたことに対して意外の感にうたれたけれど、医師にしてはそんなことは格別なんのことでもないのであろうと思った。