Japanische Klassiker mit Furigana
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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
Lesen Sie 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.140 Zeichen · 137 Bildschirme
カンノ博士は、正吉の方へちらりと目をやっただけで、また机に向かった。
机の上には、顕微鏡がある。それから化学実験用の道具が並んでいるが、これは四角い鞄の中にはいっていて、いつでもこれをしまって、鞄の形にして携帯できるようになっている。
博士が顕微鏡を使ってのぞいているのは一枚のハンカチーフであった。これは倉庫第九号の入口のところで拾ったもので、五万年前の人骨が横たわる下にあったものだ。
「うん、よしよし。なるほどなあ」
博士はひとりごとをいった。
正吉は、何事だろうと、博士のそばへそっと寄っていった。すると博士は、気がついて正吉を手招きした。
「おい君、私は今一つ、発見したよ。このハンカチーフの主――つまり君のおじさんの毛利博士は、少なくとも今から三ヶ月前までは生きていたという事実が分かった。それはこのハンカチーフについている博士の身体からの分泌物の蒸発変化度から推定して今のようにいうことができるんだ。どうだね、この発見は君に何か元気を加えることにはならないだろうか」
「ああ、そうですか。しかし三ヶ月前まで生きていたことが分かっても、大したことではありませんね。