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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

Lesen Sie 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.140 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

正吉は、そういった。

「いや実際、地中にもぐってみると、案外に空気のたまっているところがたくさんあったのだ。もちろん、そのとき地中にもぐった月人の総数はそんなにたくさんではなかったらしい。数千の集落のうちのいくつかが、地中にもぐりこむことに成功したのだそうだ」

「すると、月世界の空気はある時機になって、急に月の表面から消えてしまったのですか」

「そうなんだ。どうしてそんなことが起ったかというと、そのとき、月のごく近くを、かなり大きい彗星がすれちがった。そのとき月の表面へ、はげしく彗星の一部分が衝突した。そのとき、たくさんの月人が死んだ。彗星が去った。そのときに、月世界の表面から空気がなくなったという話だ。これは月人が子孫にいいつたえている、いわゆる伝説なんだ。だが、これはたしかにほんとうのことらしく思われる」

モウリ博士の話は、いよいよ奇怪味を増してくる。

「月人は、今いろいろな方法でもって、地中で空気を製造している。われわれ地球人が、水道の栓をひねって、水を出してのむように、月人たちは、自分の家――それはもちろん地下の穴倉式のものなんだが、そこに住んでいて、部屋にひいてある管から、必要のときに空気を出して吸って生きている。