Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんじゅうねんごのとうきょう

三十年後の東京

海野 十三

Lesen Sie 三十年後の東京 (さんじゅうねんごのとうきょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.731 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

うれしいことですね。お父さんなんか昭和二十年に死んじまって、たいへん損をしたことになりますね」

「ほんとうにおしいことをしました。お父さまももう十五、六年生きておいでになったら、わたしと同じように、ずいぶん長生きの出来る組へはいれるのにねぇ。そうすれば、お母さんは、今よりももっと幸福なんだけれど……」

正吉の母は、早く亡くなった正吉の父親のことをしのんで、そっと涙をふいた。

そのときだった。りっぱなひげをはやした三十あまりになる紳士と、それよりすこし下かと思われる婦人とが、かけこんで来た。

「あ、お母さん。ここへ、兄さんが訪ねて来てくれたんですって」

「あたしの兄さんは、どこにいらっしゃるの」

正吉はその話を聞いて、目をぱちくり。

「おお、お前たちの兄さんはそこにいますよ。ほら、そのかわいい坊やがそうですよ」

母親は正吉を指した。

「えっ。この少年が、僕の兄さんですか。ちょっとへんな工合だなあ」

「まあ、ほんとうだわ。写真そっくりですわ。でも、わたしの兄さんがこんなにかわいい坊やでは、兄さんとおよびするのもへんですわね」

「正吉や。こっちはお前の弟の仁吉です。