Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Lesen Sie 三四郎 (さんしろう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.765 Zeichen · 343 Bildschirme

Aozora Bunko

ただいつものように光らないだけが目についた。地がなんだかぶつぶつしている。それに縞だか模様だかある。その模様がいかにもでたらめである。

上から桜の葉が時々落ちてくる。その一つが籃の蓋の上に乗った。乗ったと思ううちに吹かれていった。風が女を包んだ。女は秋の中に立っている。

「あなたは……」

風が隣へ越した時分、女が三四郎に聞いた。

「掃除に頼まれて来たのです」と言ったが、現に腰をかけてぽかんとしていたところを見られたのだから、三四郎は自分でおかしくなった。すると女も笑いながら、

「じゃ私も少しお待ち申しましょうか」と言った。その言い方が三四郎に許諾を求めるように聞こえたので、三四郎は大いに愉快であった。そこで「ああ」と答えた。三四郎の了見では、「ああ、お待ちなさい」を略したつもりである。女はそれでもまだ立っている。三四郎はしかたがないから、

「あなたは……」と向こうで聞いたようなことをこっちからも聞いた。すると、女は籃を椽の上へ置いて、帯の間から、一枚の名刺を出して、三四郎にくれた。

名刺には里見美禰子とあった。本郷真砂町だから谷を越すとすぐ向こうである。