Japanische Klassiker mit Furigana
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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 第三巻 (あるくこと) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.472 Zeichen · 667 Bildschirme
そういうときに、旅行に出て、あちこち歩き、電車に乗りバスに乗り汽車に乗ったりして、みじかくて三四時間、ながくて三四日すると、そういう迷いや混乱や衰弱が、全部とはいえなくとも、その大半がひとりでに自分から剥げおちているのです。
それは、そのあいだに、それらの問題についてセッセと考えつめたからではない。ほとんど考えはしないのです。ただそれらの問題を自分のうちにたたえ持っているだけなのです。ただなんとなく、たたえ持ちながら、自然を見たり人びとを見たり、自然の中へふみこんだり、人びとと話しあったりしているあいだに、私自身にもよくわからない微妙な作用が起きていて、自分のたたえ持っている問題の中心のようなもの、本質のようなものが、ハッキリした形になって、自分の手のひらの上にのっているのです。
私は、敗戦後はじめて旅行したときのことを思いだします。旅行といってもホンの小旅行で、中央線の列車に半日乗っている程度のものです。じつは私は敗戦と同時に、何をどう考え、何をどうしたらよいか、まるでわからなくなってしまって、ウツウツとしてその夏から秋をすごしたのですが、思い疲れたすえにヒョイとどこかへ行ってみる気になったのでした。