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Japanische Klassiker mit Furigana

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おりき

三好十郎の仕事 第二巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 第二巻 (おりき) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.279 Zeichen · 238 Bildschirme

Aozora Bunko

もっとも、ベラベラしゃべくるわけじゃ無えから気が附かねえ者あ、まるきり気が附かねえ。黙ってやってるのを、一人二人と見ならってやって行くだけだがね。……(青年はジット眼の前を見詰めていて返事をせぬ。中年男は三束四束とこき進んで、しばらく口をつぐんでいたが、何を思い出したか、急に笑い出す)ハッハハハハ、ハハハ……だども……ばさまにも一つだけ、どうにもならねえ事がある! 弘法さまにも筆のあやまりか。ハハハ……

青年 ……?(中年男を見る)

中年 こいつだけは、畑で作り出すわけにゃ、いかねえから、いい気味だ。なあシゲちゃん。お前、持って来たかえ?

女 へえ、いや……二三日前、小諸に行ったもんで捜したけど、近頃配給になってしまって、ロクなもん手に入らなくて……(帯の間から紙につつんだ小さい物を出す)ホンの二三本……

中年 縫針かあ、そいつは豪勢だ。俺あ、へえ、捜したりしている暇あ無えし、仕方無えで、組内かっさらって、木綿糸が、たったこいだけだ。(笑いながら、懐中から小さく巻いた糸のかたまりを出す)

青年 ……?

中年 (物問いたげにしている青年を見て笑い出し)ハハハなにね、此処のばさまは、物見に出歩くじゃ無し、三百六十五日、野良着で働くだけで、食うものにも着るものにも、まるっきり慾はなしね。