Japanische Klassiker mit Furigana
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さんがつのだいよんにちよう
三月の第四日曜
宮本 百合子
Lesen Sie 三月の第四日曜 (さんがつのだいよんにちよう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.826 Zeichen · 42 Bildschirme
だから昼の休みも毎日こんな風にして過ごされる。
胸に番号のついた作業服を着たサイと弓子とは、石炭殼の道を購買の方へ歩いていた。事務室の裏手つづきで、どの作業場からも真直来られる車軸のようなところに、小さい市場ぐらいな購買がある。ボルトで締めた高い天井の梁や明りとりのガラスの埃がこの頃の陽気で目立つ。相当こんでいる三和土の通路を二人は菓子部へ行った。ここの蕎麦ボーロが王子の婆さんの好物で、サイは時々買ってかえってやっている。
呉服部のところで、ケースの上にくりひろげてある絹セルや夏物柄の銘仙をちょっとさわって見たりしながら、
「これ、本当に銘仙なんかしら」
弓子が心元なそうに呟いた。
「私たち、折角働いてこしらえたって、この頃のものなんか何こさえているんだか分んないみたいで詰んないわ、ねえ」
月賦がきくのと時間がないのとで、娘たちはつい購買で拵えることになるのであった。
「サイちゃん、もうすんだの?」
「ううん、まだ一月あるの」
ぶらぶら行くと、弓子がサイの作業服の筒袖のたるみをきゅっとひっぱった。
「どうしたの」
眼顔で弓子がさすのを見ると洋品のところでひとかたまりの娘が、この頃流行の髪につける小さい結びリボンを選んでいる。