Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
神明様の手洗い水で顔でも洗っておいでよ。ほんとうに馬鹿々々しい。」
おふくろは畳みかけて罵倒したのです。いくら口惜がっても清吉は年が若い、口のさきの勝負では迚もこゝのおふくろに敵わないのは知れている。それでも負けない気になって二言三言云い合っているうちに、周囲にはいよ/\人立ちがして来たので、おふくろの方でも焦れったくなって来た。
「お前さんのような唐人を相手にしちゃあいられない。なにしろ、お金はあたしの娘なんだからね。当人同士どんな約束があるか知らないが、お金を貰いたけりゃあその背中へ立派に刺青をしておいでよ。」
おふくろは勝鬨のような笑い声を残して、奥へずん/\這入ってしまうと、お金はなんにも云わずに、つゞいて行ってしまった。取残された清吉は身顫いするほどに口惜がりました。
「うぬ、今に見ろ。」
その足ですぐに駈け込んだのが源七老爺さんの家でした。老爺さんはその頃宇田川横町に住んでいて、近所の人ですからお互いに顔は知っていたのです。
おなじ悪口でも、いっそ馬鹿とか白痴とか云われたのならば、清吉も左ほどには感じなかったかも知れないのですが、ふだんから自分も苦に患んでいる自分の弱味を真正面から突かれたので、その悪口が一層手ひどくわが身に堪えたのでしょう。