Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
唯それだけでは別に問題にもならないのですが、その侍はまだ十八九で、人品も好い、男振りもすぐれて好い。そうして、彼のお金となんだか仲好く話しているというのですから、これは何うしても見逃されません。朋輩の女もすぐに眼をつける、出入りの客や地廻り連も黙ってはいない。あいつは何うも可怪しいという噂がたちまちに拡まってしまいました。
「あのお客はどこのお屋敷さんだえ。」と朋輩が岡焼半分に訊いても、お金は平気でいました。
「どこの人だか知るものかね。」
こう云って澄ましているのですが、どうも一通りの客ではないらしいという鑑定で、お金はあの若い侍と訳があるに相違ないと決められてしまって、「あん畜生、うまく遣っていやあがる。」とか、「あの野郎、なま若え癖に、太え奴だ。」とか、地まわり連のうちには随分憤慨しているのもありましたが、なにしろ相手は侍ですから無暗に喧嘩を吹っかけるわけにも行かないので、横眼で睨んで店さきを通りながら何か当てこすりの鼻唄でも歌って行くぐらいのことでした。そのうちにお金が神明から姿を消してしまったので、近所の騒ぎはまた大きくなりました。主人の家でもおどろいて、取りあえず片門前に住んでいるおふくろの所へ聞きあわせに遣ると、おふくろも知らないで、唯おどろいているばかりです。