Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
かんがえてみると、今こゝで自分が死んでしまえば、おふくろや姉の墓まいりをする者はなくなる。迂濶に死急ぎをしてはならない。生きられるだけは生きているのがおふくろや姉への孝行だと思い直して、早々にそこを立去って、なに食わぬ顔をして主人の店へ戻っていたと、久松はこう申立てたそうです。姉のすがたが見えたか見えないか、それは勿論わかりませんが、或は久松の眼にはほんとうに見えたのかも知れません。
奉行所ではその裁き方によほど困ったようでした。唯の意趣斬にするのも不便、さりとて仇討として赦すわけにも行かないので、一年あまりもそのまゝになっていましたが、安政四年の夏になって、久松はいよ/\遠島ということにきまりました。島へ行ってから何うしたか知りませんが、おそらく赦に逢って帰ったろうと思います。
置いてけ堀
一
「躑躅がさいたら又おいでなさい。」
こう云われたのを忘れないで、わたしは四月の末の日曜日に、かさねて三浦老人をたずねると、大久保の停車場のあたりは早いつゝじ見物の人たちで賑っていた。青葉の蔭にあかい提灯や花のれんをかけた休み茶屋が軒をならべて、紅い襷の女中達がしきりに客を呼んでいるのも、その頃の東京郊外の景物の一つであった。