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Japanische Klassiker mit Furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「そうすると、その櫛をさしているあいだは美しい女に見えたんですね。」と、わたしは首をかしげながら訊いた。

「まあ、そういうわけです。その櫛をさしているあいだは見ちがえるような美しい女にみえて、それが落ちると元の女になったというのです。」と、老人は答えた。「どうしてもその櫛になにかの因縁話がありそうですよ。しかしそれは誰の物か、とう/\判らずじまいであったということです。その櫛と、置いてけえと呼ぶ声と、そこにも何かの関係があるのか無いのか、それもわかりません。櫛と、蝮と、置いてけ堀と、とんだ三題話のようですが、そこに何にも纏まりのついていないところが却って本筋の怪談かも知れませんよ。それでも阿部さんが早く気がついて、なんだか自分の気が可怪しいようだと思って、前以て弟に取押方をたのんで置いたのは大出来でした。左もなかったら、むやみ矢鱈に刀でも振りまわして、どんな大騒ぎを仕出来したかも知れないところでした。阿部さんはそれに懲りたとみえて、その後は内職の釣師を廃業したということです。」

なるほど老人の云った通り、この長い話を終るあいだに、躑躅見物の女連は帰って来なかった。