Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
もと/\秘曲のことですから、ほかに知っている者のあろう筈はありません。もしそれが落城の譜であると知れたら、どんな重い仕置をうけるか判らなかったのですが、何分にも無証拠ですから、森垣さんはとう/\強情を張り通してしまいました。それでも唯では済みません。夜中みだりに貝を吹きたてゝ城下をさわがしたという廉で、お役御免のうえに追放を申渡されました。
森垣さんは飛んだことをしたと今更後悔しましたが、どうにも仕方がない。それでも独り身の気安さに、ふだんから親くしている人達から内証で恵んでくれた餞別の金をふところにして、兎にかくも江戸へ出て来たというわけです。落城の譜が祟って森垣さん自身が落城することになったのも、なにかの因縁かも知れません。
「いや、一生の不覚、面目次第もござらぬ。」と、森垣さんも額を撫でていました。
こう判ってみると、わたくしも気の毒になりました。屋敷をしくじったと云っても、別に悪いことをしたと云うのでもない。この先、いつまでも浪人しているわけにも行くまいから、なんとか身の立つようにしてあげたいと思ってだん/\相談すると、森垣さんは再び武家奉公をする気はないという。