Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme

Aozora Bunko

森垣さんのお話はこれぎりですが、この法螺の貝について別に可笑しいお話があります。それはある与力のわかい人が組頭の屋敷へ逢いに行った時のことです。御承知でもありましょうが、旗本でも御家人でも、その支配頭や組頭には毎月幾度という面会日があって、それをお逢いの日といいます。組下のもので何か云い立てることがあるものは、その面会日にたずねて行くことになっているのですが、ほかに云い立てることはありません、なにかの芸を云い立てゝ役附にして貰うように頼みに行くのです。定めてうるさいことだろうと思われますが、自分の組内から役附のものが沢山出るのはその組頭の名誉になるので、組頭は自分の組下の者にむかって何か申立てろと催促するくらいで、面会日にたずねて行けば、よろこんで逢ってくれたそうです。

そこで、その与力は組がしらの屋敷に逢いに行ったのです。こう云うことを頼みに行くのは、いずれも若い人ですから、組頭のまえに出てやゝ臆した形で、小声で物を云っていました。

「して、お手前の申立ては。」と、組頭が訊きました。

「手前は貝をつかまつります。」

組頭は老人で、すこしく耳が遠いところへ、こっちが小声で云っているので能く聴き取れない。