Japanische Klassiker mit Furigana
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さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
Lesen Sie 三稜鏡 (さんりょうきょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.347 Zeichen · 42 Bildschirme
街頭はもう白熱していた。併し白い太陽は尚もじりじりとあらゆるものを照りつけ続けていた。そして路面からの反射光線は室内にまで火矢のように躍り込んでいた。捜査本部では、当事者達が一台の扇風機を囲んで、汗を拭きながら、捜査の方針を練っていた。
「首があると、被害の見当も、それで大体わかるのだが……」
刑事課長は溜息を吐くようにして言った。
「首はしかし、あの溝には、絶対に無いですね」
黒い不精鬚の刑事が煙草に火をつけながら言った。
「例えその首が見つかったところで、五週間からになれば、腐敗して了っているに相違ないから、それで被害者の身元を探り、そこから犯人を探すことは困難だろう。被害者の身元がわかる位なら、あれほど新聞で書立てたのだから、被害者と関係のある者から届けて来る筈だよ。届出人が無いところを見ると、被害者には身寄りが無いのだろうから、その首が見つかっても、身元は矢張わからないに相違ない。それより、被害者が女であることだけはわかっているのだから、女の持物とか、女の衣類などから探った方が早くないかね」
署長はそう厳粛な口調で云った。
「犯人は相当の知識階級のようにも思われますね。