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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんりょうきょう

三稜鏡

佐左木 俊郎

Lesen Sie 三稜鏡 (さんりょうきょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.347 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

併し私は、そんなことには構わずに、彼を伴って、応接室に待たしてあった看護婦の一人を、無理矢理に実験室へ引立て行った。看護婦は(きゃあきゃあ!)と声を立てながら拒むのを、私は悪魔のように無理矢理に引込むので、彼は実験室の扉の前に立って顫えているだけであった。私はその間に、看護婦の代りに、等身大の人形を手術台の上に縛りつけた。それから彼を扉の中に引込んで来て、その人形を、混乱しきっている彼の頭に、麻酔剤によって仮死状態にある人間のように思わせることは容易であった。

「麻酔剤の他に何か薬品を作用させたのですか?」

彼はそんな質問をしながら怖々とその人間に触って見るのであった。彼は、それを人形とは感付かないで、仮死体が、薬品のために固くなっているように思っているのであった。それは非常に都合がよかった。

「勿論じゃないか?」

私は呶鳴るように言った。

「何をお使いになったのですか?」

「そんなことを知らないでどうするんだ」

私は再び呶鳴った。そして私はメスを持直してその首を切断した。切口には血の色の絵具を塗った。そこへ麻酔剤やその他の薬品のようにして持込んであった小瓶は、実は皆んな血の色の絵具で、それを彼が気付かないうちに切口へ塗ることも亦容易であった。