Japanische Klassiker mit Furigana
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さんりょうきょう
三稜鏡
佐左木 俊郎
Lesen Sie 三稜鏡 (さんりょうきょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.347 Zeichen · 42 Bildschirme
そして更に、私は、その首と胴とを接合しようと努力して見せるのであるが、その切口に血管も神経もなく固くぼろぼろになっているのを見て、彼は尚も混乱して来るのであった。そこで私も狂乱したように見せかけ、私はメスを持直して、その人形の脚を切落し、両腕を切落して見せるのであった。すると気の弱い彼は、私をそこに残して研究室から逃出して了うのであった。
併し、私の療法は、決して失敗ではなかった。西谷青年は、何んなにかその実験を怖れ戦いて、実験室から自分の部屋に逃込むと、それなりもう、一週間位は部屋の外へ出なかったのだから。そして彼は、その一週間の間を、寝食を忘れるようにして自分の途を迷っているのであった。ここに何等の夾雑物的な感情が無ければ、彼が外科医としての希望を断念して了うことは、当然のことであった。断念と同時に、そして気が軽くなり、放心状態が次第に快復へ導くことも亦当然であった。
私はしかし、尚その上にも、彼が自分の手先の不器用なことを、徹底的に、真価以上に自覚するような、実験を課してやった。それは二片の豚肉を与えて、その肉片の中の神経と神経と、血管と血管とを接合することであったが、死肉の神経や血管を接続することは余程よく熟練している外科医にも容易に出来るものではなく、尚且つ、私は前もってその血管や神経を抜取っ