Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃんはい
上海
横光 利一
Lesen Sie 上海 (しゃんはい) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.628 Zeichen · 292 Bildschirme
」
「まアまア、結構な御身分ね。あたし嫌いよ、そんな話は。」と宮子はいって膝を動かした。
「それから、ここだ。僕が何ぜ殺されないかと考えた。すると僕はこんな支那服を着流してうろつき廻っていたからなんだ。しかし、それなら何ぜ支那服なんか着て歩くと君は思うかも知れないが、この支那服を着てないと相手の女と逢ったって、役に立たぬ。そこが僕の新しい苦悶なんだ。どうだ、こりゃ新しかろう。」
「あんまり馬鹿にしないで頂戴、あたし聞いてるのよ。あたし、さきまであなたの夢まで見てたんだわ、ああ、口惜しい。」
宮子は手を延ばすとまたウィスキイを荒々しく傾けた。
「しかし、こうして考えて見ると、まア、馬鹿な話は話さ。ところが、そいつを真面目に考えていたんだから、ちょっとはどうかしてるんだ。頭というものは、馬鹿になり出すと、つまり、馬鹿な方へばかりだんだん頭が良くなり出す。譬えば君にした所で、甲谷と結婚しないことなんて、馬鹿な方へ頭がふくれだしたからさ。良いか、分ったね。」
「そうよ。あたし、あなたなんかに眼が眩んで、とうとうお嫁さんになりそこねたわ。これもあなたよ。甲谷さんに仰言っといて。