Japanische Klassiker mit Furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme
が、あの可愛い節は、一日でも早く健が昔の健にかえってくれるように、と祈っているときかせられて、健はがっかりした。
小作争議に入ってから、※の旦那は争議団に関係している小作には絶対に「掛売り」をしないと云った。結局それは、小作には品物を絶対に売ってくれない事と同じだった。それに今迄の、何年もの間の「掛」をたった今払ってもらおうと、おどかした。
「社会主義者どもの尻馬に乗って、日本の尊い遺風にキズをつける大不忠者!」
店先きで怒鳴りつけられた。
「在郷軍人の小作であって、若し争議に関係するものがあったら、陛下に対して申訳がないと思え! 軍人たるものの面汚しだ。」
同じことを「青年団」や「青年訓練所」のもの達にも云って歩いた。
「んでも※さん、食えないんだもの、どうも仕様無えしな……。お前さん達なら、それでええかも知れねしどもな。」
小作も※に云われると、矢張りマゴマゴした。然しどうにも食えなかったのだ。
健は然し、※がそんな「偉い」ことを云って歩いていながら、吉本管理人とちアんと結び合っていること――吉本と争議のことで、H町の料理屋で会ったことを知っていた。