Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふざいじぬし

不在地主

小林 多喜二

Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

を頼んだ。足を使ってもらった。――四十を一つ、二つ越していた。荒々しい動作も、大きな声も出さない、もどかしい程温しい人だった。

何時でも唇を動かさないで、ものを云った。

「阿部さんは隅ッこにいれば、一日中いたッて誰も気付かねべし、阿部さんも黙って坐ってるべ。」

――七之助がよく笑った。

村では、四人も五人も家族を抱えて働いている四、五十位の小作人の方が、遊びたい盛りのフラフラな若い者達より、生活のことではずッと、ずッと強い気持をもっている。――小作争議の時など、農民組合で働いている若い人は別として、何処でも一番先きに立って働くのは、その年の多い小作だった。――阿部はその一人だった。

阿部は旭川の農民組合の人達が持ってくる「組合ニュース」や「無産者新聞」を、田から上った足も洗わないで、床を低く切り下げて据付けてあるストーヴに、いざり寄って読んだ。丹念に、一枚の新聞を何日もかかって、一字一字豆粒でも拾うように読んでいた。壊れた、糸でつないだ眼鏡を、その時だけかけた。

彼が畔道を、赤くなってツバの歪んだ麦稈帽子をかぶり、心持ち腰を折って、ヒョコヒョコ歩いているのを見ると、吉本管理人ではないが、「あんな奴が楯をつくなんて!」