Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしんあん
不審庵
Lesen Sie 不審庵 (ふしんあん) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.782 Zeichen · 16 Bildschirme
「流石にいい句ですね。」私はまた下手なお追従を言った。「筆蹟にも気品があります。」
「何を言っているんだ。君はこないだ、贋物じゃないかなんて言って、けちを附けてたじゃないか。」
「そうでしたかね。」私は赤面した。
「お茶を飲みに来たんだろう?」
「そうです。」
私たちは部屋の隅にしりぞいて、かしこまった。
「それじゃ、はじめよう。」先生は立ち上って隣りの三畳間へ行き、襖をぴたりとしめてしまった。
「これからどうなるんです。」瀬尾君は小声で私に尋ねた。
「僕にも、よくわからないんですがね、」何しろ、まるで勝手が違ってしまったので私は不安でならなかった。「普通の茶会だったら、これから炭手前の拝見とか、香合一覧の事などがあって、それから、御馳走が出て、酒が出て、それから、――」
「酒も出るのですか。」松野君は、うれしそうな顔をした。
「いや、それは時節柄、省略するだろうと思うけど、いまに薄茶が出るでしょう。まあ、これから一つ、先生の薄茶のお手前を拝見するという事になるんじゃないでしょうか。」私にもあまり自信が無い。
じゃぼじゃぼという奇怪な音が隣室から聞えた。茶筌でお茶を掻き廻しているような音でもあるが、どうも、それにしてはひどく乱暴な騒々しい音である。