Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしぎなとり
不思議な鳥
小川 未明
Lesen Sie 不思議な鳥 (ふしぎなとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.797 Zeichen · 16 Bildschirme
五
この分では老先も長くあるまい。この人の言うことに背くのも気の毒だと思って、何の考えもなく、黙って鳥籠の口を開けた。
「おお、早く逃げて行けよ。」と叔母は泣かんばかりに言った。
鳥は嘴で竹の骨を啄いたり、撞木で嘴を磨いたりしていたが、小声で何か囀ると、籠の戸口まで出て来て、暫らく外の景色を頭を傾げて見ていたが、また思い止って籠の中に戻ってしまった。叔母が幾度となく、
「逃げて行けよ。」といったが、鳥は二度と籠の戸口から出なかった。流石にこれを見た叔母は、考えながらこう言った。
「もう翼が利かないのだ。こうなってはやはり籠の中に置てやった方がいい。」と、去ってしまった。
人間だってそうじゃないか? 女が嫁に来て束縛されて、皆なこの叔母の如くなってしまう。而してこの時、過去を顧みて格別残念とも何とも思わず、これが当然だと信じている。……
夕月が出て、ほんのりと鳥籠の上を照した。家の内では仏壇に燈明が点て鉦の音がし始めた。
五
或日、私は図書館に入って、鳥禽図解を彼方此方と検べて見た。私には、黒い鳥の名が判らなかったからだ……西洋の鳥禽図の中に略々この鳥に似通った鳥があった。