Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふしぎなとり

不思議な鳥

小川 未明

Lesen Sie 不思議な鳥 (ふしぎなとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.797 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「何か悪いことをしたことがあったろうか?」

「何か人の物を盗すんだことがあったろうか?」

「全く覚えがない!」

けれどこの黒い鳥を見たことがあるようだ……それは幼ない時分であった。日蝕の日に斯様黒い鳥が沢山、空を廻っていたような気がする。何んでも黄色な暗くなった空に、驚いて怪しな声で、ぐるぐると輪を画きながら啼いていた。大日輪がご病気になられたのだから見ると悪い――その意はこの日に何か人の命に障る毒が降るともいうので――人の通りが全く杜絶た。木も悲しめば、草も悲しむという。無心の鳥まで悲しむというので、戸口に立て空を見た時、雲は悪熱で煮えるように薬色となっていた。よく熱病になった時土用の丑の日に採て乾て置いたどくだみ草を煎ずるとこういうような色になる。若しその水を飲んで命があるものならどんな重い熱病も癒るが、死ぬものなら身体がやはりどくだみ草の色と化って死んでしまうと聞いた――この時、黒い鳥が空を幾羽となく飛んでいた。その黒い鳥は余り大きくなかった。無論烏ではなかった。その啼声は物に驚いたような、目が見えなくなったような、巣の有り所を忘れたような、呻吟ような、悶えるような、切なそうな啼き声であった。