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Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

Lesen Sie 世界の一環としての日本 (せかいのいっかんとしてのにほん) von 戸坂 潤 (とさかじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.338 Zeichen · 422 Bildschirme

Aozora Bunko

拍子抜けがしたり安心をしたりしながらも何か腑に落ちない薄気味の悪い後味がするのを、国民は否むことが出来ないようだ。一応、一時の気休めは出来たようなものの、気持は必ずしも明朗ではない。ということは要するに政情そのものに、何か量り知ることの出来ない不明朗なものの臭みがつきまとっているのである。これは国民の慢性の強迫観念のせいだろうか。そうばかりは云えない。国民は今日、ちょうど犬のようなものだ。尾を振ることや芸をして見せることは人間並みに覚え込んでも、やはり動物としての本能と、臭覚とを、ゴマ化すことは出来ない。国民は本能的に不安を直覚している。この不安の実質は何か。

不安は認識の不足から来る。一種のインテリの場合は認識の過剰から来るらしいが、民衆の場合は認識の不足から来る。つまり不安とは、より認識を深めようという一つの本能的感情だ。少なくとも軍部に対する認識を、より以上に進めなければならぬというのが、この不安という本能的な感触なのである。それが本当に安心して了うことを許さないのだ。不安は如何なる認識の不足から来るか。

尤も不安と云っても、それは民衆にとってのことだ。