Japanische Klassiker mit Furigana
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アリゾナのめとら
世界怪奇実話II
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話II (アリゾナのめとら) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.877 Zeichen · 91 Bildschirme
が、バアトンの正直なのは其処までで、後は、知らぬ存ぜぬの一点張りである。身長の高い、ラグビイ選手タイプの好青年で、勿論、姉の怖るべき犯罪を識り、懸命に匿っているものに相違ない。
「いま姉が何処にいるか、僕は知らないんです。知っていればお話ししますけれど」
「じゃあ兎に角、停車場へ一緒に行った時のことを詳しく話してみるがいい」
ダヴィッドスン警部が訊問に当る。此の人が、このルウス・ジュッド――「アリゾナの女虎」――事件の捜査係長だったのだ。
「詳しくと言ったって、今日のことは簡単です。別に申上げることはありません。今朝、私の通っている南加大学の教会へ行って出て来ますと、姉が戸外に立って待っていたのです。何だか非常に興奮しているようでした。そして、言うには、急用があって、今アリゾナから着いた許りだが、停車場にトランクが二つ預けてあるから、僕に、自動車を持って一緒に受取りに行って呉れと言うんです」
何うも様子が変なので、よく問い質してみると、其のトランクを一刻も早く処分しなければならないという姉の言葉である。バアトンは可怪しいと思ったが、兎に角、言われる儘に自動車を引き出し、姉を乗せて停車場へ向った。