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Japanische Klassiker mit Furigana

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アリゾナのめとら

世界怪奇実話II

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話II (アリゾナのめとら) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.877 Zeichen · 91 Bildschirme

Aozora Bunko

其処で、このアン・ルロイに逢って、こうして凄惨な死を緒にするようになったのである。小柄な、色白の愛嬌のある顔立ちで、友達仲間に評判もよく、自宅に発見された手紙は、凡べてそれを証拠立てていた。言い寄る男なども、少からずあったようで、その中に、或る上院議員からの猛烈なラヴ・レタアのあったことは、ちょっと人々を驚かしたりした。

斯ういう殺人事件の犠牲者は、よく刻明に日記をつけているものだと言われている。こんな事をいうと、日記をつける人がなくなるかも知れないが、サミイもその一人で、実に死の二日前まで、日記が続いているのだ。青い小さな日記帳――最後の日附は十月十五日で、こんなことが書いてある。

「人間は何うしてこう争ってばかりいるのだろう。それが嫌さに、私はこの沙漠の荒地に隠れたのだった」

その年の六月六日の分には、

「修身甲の生徒。私はほんとにそれだ。子供の時分の肉体的影響と遺伝――メンデルの法則通りに私も動くのだ。快楽主義――これだけが人間の最後の目的なのだろうか」

九月二十五日の頁を見ると、ただ一行、

「今日で丁度、病床生活一年間」

アグネス・アン・ルロイは、オレゴン州テラムウクの生れで、本名は、アグネス・イムラア。