Japanische Klassiker mit Furigana
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アリゾナのめとら
世界怪奇実話II
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話II (アリゾナのめとら) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.877 Zeichen · 91 Bildschirme
クウネイには事情を明かして、電話と事務所を一時借りることにした。
地下鉄ビルディングのクウネイ弁護士の事務所である。ジュッド医師を中心に、ラッセル判事と、カンテロン秘書と、三人は黙然と椅子に掛けて、じっと机上の電話を見詰めている。一時半、二時――電話は来るか、来るか――と、来た――鈴が鳴るとジュッド医師は、顔色を変えて椅子に飛び上った。
「もしもし――ジュッドだが」
「あら、あなた?」
妻のルウスだ。
ジュッド医師は震え声で、
「ルウス、お前何処に――何処に居るんだ」
が、ルウスは良人にも居所を明かそうとしない。ジュッドは長いことかかって、自分とラッセル判事だけが、そっと会いに行くからと、悲痛な言葉で説き立てながら、
「ルウス、何も怖がることはないよ。決して直ぐ警察へ突き出したりなんかしないから。バルテモア自動車車庫を知ってるね? 知ってるだろう? お前あすこへ来ないか。僕は先へ行って待ってる。お前がいま俺に電話を掛けていることは誰も知らないんだから、すぐ、バルテモア・ガレイジへお出でよ。あすこで会おう」
受話機を掛けたジュッドの額には、大粒の汗が列のように流れて、判事も秘書も、余りの気の毒さに、正面に顔を見ることは出来なかった。