Japanische Klassiker mit Furigana
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しがつばか
世相・競馬
織田 作之助
Lesen Sie 世相・競馬 (しがつばか) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.112 Zeichen · 39 Bildschirme
お通夜に集って来た友人が変なところで伸びやがって、登り降りの邪魔だよ、だからノッポは困るんだなどと言っている。がやがやと騒がしいお通夜になって来た。ボートのバック台の練習をしながらワレハ海ノ子と歌いだす者がある。議論がはじまる。ラスコリニコフが階段の途中でペンキ屋にどうかされたとかなんとかシロサキが言っている。よせやい、お通夜じゃないか、静にしろとアオヤマが言うとオダが、いやこいつは派手なお通夜の方が喜ぶぜと言って、おいサエキそうだろうと声を掛ける。すると自分はそうだそうだ、おれは派手な方がいいんだ、陽気にやってくれと言って、ここで死んでちゃ邪魔なんだろうとむっくり起き上って一緒に騒ぎだし、到頭自分のためのお通夜の仲間にはいってしまったという夢である。それほど寂しがり屋なのだ。
しかし街は佐伯の孤独をすこしも慰めてくれなかった。彼が街を歩くと、街は灰色になった。佐伯が掛けると、誰もその卓子を敬遠した。陰欝な眼をぎょろつかせ、落ち込んだ鈍い光を投げながら、あたり構わずいやな咳をまき散らすからだ。時には手帛を赤く染め、またはげしい息切れが来て真青な顔で暗い街角にしゃがんだまま身動きもしない。