Japanische Klassiker mit Furigana
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おかのうえ
丘の上
豊島 与志雄
Lesen Sie 丘の上 (おかのうえ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.034 Zeichen · 23 Bildschirme
首の骨が折れでもしたように、がっくり頭を垂れていた。肩から胸のあたりが薄べったくなって、腹が妙にふくれ上っていた。膝から下は溝の中に隠れて見えなかった。
もうだいぶ日がたったものらしかった。変な匂いがしていた。前日の小雨に濡れたまま乾ききらないでいる紺絣の袷が、べっとり身体に絡みついていた。顔の肉が落ちて、土色に硬ばった皮膚の下から、頬骨がつき出ていた。眼が落ち凹んで、閉じた眼瞼のまん中が、眼玉の恰好にまるくふくらんでいた。変に形のくずれた鼻から、かさかさに皺寄ってる唇へかけて、黒血の交った泡の乾いたのがこびりついて、それに山蟻が一杯たかっていた。蝿が一匹どこからか飛んできて、額の横の方にとまって、びくりびくり羽を動かしていたが、またどこかへ飛び去ってしまった。
灌木の茂みを押し分けて、大勢の人が立並んでいた。時々ひそひそと囁き合っては、またすぐに黙ってしまった。
だいぶたってから、十人余りの人と一緒に、がやがや話声をさせながら、巡査がやって来た。
その時初めて気付いたのだが、太陽の光が木立の茂みの隙間から、無数の小さな明るい線となって落ちていた。