Japanische Klassiker mit Furigana
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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第三巻 (えいがをつくるはなし) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.667 Zeichen · 95 Bildschirme
その感じは、少年の頃魚刺をもって海の底に潜りながら魚を探しているうちに、不意に岩穴の奥に大きい魚を見付けた時の気持に似ていた。永らく忘れていたこういう鋭い喜びに再び会うことが出来たのも嬉しかった。
屏風型というのも、これにも増して不思議な結晶である。六角柱の側面だけが薄く発達して、それが一方の辺で六角の螺旋形に巻き込んだもので、いわば屏風を六角形に巻き込んだような結晶である。これも霜の方では分っている結晶で、セリグマン氏の本にも、ヒマラヤで発見したというこの種の結晶のスケッチが載っているし、低温室の中でも数回は作った経験がある。今度の十勝行再挙では、この結晶は唯一つしか写真に撮れなかったが、とにかく天然の雪の初期状態にも屏風があることだけは確められた。何だかぼんやり夢想したものが全部見付かるというのも少し変なようであるが、考えて見れば当然なのである。低温室の中で色々と条件を変えて、不思議な形の結晶を作ったとはいうものの、人間の考えることくらいは、天然が司っている複雑な自然現象の中に含まれていない筈はなかったのである。低温室の中で屏風型の結晶が出来たというのも、何も天然にないような極度の低温を用いたわけではないので、丁度その実験の時と同じような気象状態にも、何時かは遭遇するのは当然なのである。