Japanische Klassiker mit Furigana
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まるのうち
丸の内
高浜 虚子
Lesen Sie 丸の内 (まるのうち) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.875 Zeichen · 46 Bildschirme
三十年前
今遠く永田町に建っている議事堂の鉄骨を眺めると、何となく心強いような感じがする。
現在の東京はまだ震災のあとがまざ/\と残っていて、それ等の建築も上京して来た旅人の心を楽しまするには足らぬであろう。けれども汽車が東京駅に近づくに従って、その汽車に或は後れ或は先立ち、併行して突進んでいる幾多の電車が、悉く溢れるような人を満載していて、それ等の人は、東京駅に著くと、一時に川を決したように流れ出る容子を見ては、たのもしい心を起さずには置くまい。それ等の人の個々の力はやがて新東京を建設するのである。
三十年前
明治の三十五年頃、私は神田の猿楽町に住まっていて、屡々用事があって麹町の内幸町に行った。竹橋を渡って和田倉門をはいり、二重橋前を桜田門に出で、それから司法省の前を通って行くのであるが、ゆる/\歩いていると一時間では行けなかった。人力車に乗っても足の弱い老車夫だと相当に時間を費した。
その頃日比谷はまだ公園にならず、草の生えた空地であった。練兵はもうやらなかったが、練兵場の面影がまだそのままに残っていた。和田倉門外も大概空地で、僅かに明治生命と商業会議所と今の一号館と二号館があるばかりであった。