Japanische Klassiker mit Furigana
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まるのうち
丸の内
高浜 虚子
Lesen Sie 丸の内 (まるのうち) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.875 Zeichen · 46 Bildschirme
今の東京駅のあたりも闇の続きで、その向うに僅かに京橋辺の灯が見えた。
やがてぼつぼつと家が建って、その四軒長屋の間々が建てふさがるようになって、俗にこれを「一丁ロンドン」と呼ぶようになった。仲通り一帯が建ち並んだのは四十四、五年の頃であるとか。
仲通り一帯の多くの建物にははいり口が沢山ついていて、そして或会社なり事務所なりは、天辺の部屋までその会社や事務所で占領して、ほかとは全然区別していなければ通用しなかった。これは大冠木門を有し高い土壁をめぐらした昔の士族の習慣が抜けなかったためであろう。それが大正三年に二十一号館が出来るようになって、はじめてアパートメント式になり、つづいて大正六年に海上ビルデングが出来て更に発達した。
大正十二年、丸の内ビルデング即ち丸ビルが出来て、この丸の内の空気に一大変革をもたらした。
丸ビルの食堂、売店には沢山の女給、女事務員がおる。それ等には美人が多いとの事であるが私は詳しくは知らぬ。ただ夏になると、六階、七階、八階の洗面所が中庭を隔てて私の部屋から見える。その洗面所には鏡が連なってかかっている。その鏡の前にはそれ等の女群の一隊が列をなしている。