Japanische Klassiker mit Furigana
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まるのうち
丸の内
高浜 虚子
Lesen Sie 丸の内 (まるのうち) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.875 Zeichen · 46 Bildschirme
なくなった高橋駅長が、『あのカラコロカラコロには困る。』とかいったという話を聞いたことがあるが、困ったところで泥濘が往来に存在している間は仕方がない。和服が全廃されない限りは仕方が無い。私は少々な雨なら雪駄で辛抱するが、大降になって来ると、止むを得ずカラコロ/\党になる。実際高下駄で石の階段を上り下りするのはあぶない。それにアスファルトの上などではすべって剣呑だ。それに第一ビルデングに上る時分などには一々上草履にはきかえねばならぬので不便だ。矢張り靴が便宜だ。一つ和服に長靴をはく事にしようかと思っているがまだ決行せずにいる。
雪駄もだん/\改良される。丸ビルの一階の阿波屋で売っておるものなどの中には、だん/\小雨などにははいても差支ないものが出来て来るであろう。ビルデング通いの者の実際の必要から迫られて工夫して行くであろう。
必要! その事が種々の工夫ともなり発明ともなり、又ついに新しい調和ともなって現れて来るのである。
丸の内一帯の新文明?はかくの如くして醸されて来るのである。和服に長靴を穿いているうちには新工夫が出来るかも知れぬ。
丸ビルにはいって敷煉瓦の上を辷らないように一分きざみに歩いて、漸く下足預かり所に行って上草履にかえる。