Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ここのつのかぎ

九つの鍵

野村 胡堂

Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

予備の鍵

と狩屋三郎のサブちゃんは少しばかりおもしろそうでした。

「口惜しいが、気がつく前に昏々と麻睡させられてしまったよ、夢も見なかったぜ」

照国の誠一はますますのんきです。こののんきさがこの場合の三郎にとってはどんなに心強かったでしょう。

予備の鍵

「ところで、シュークリームの麻薬は一体何を狙ったんだ?」

照国の誠一は改めて聴きました。

「わかっているじゃないか、九つの鍵だよ」

「九つの鍵? そいつは祖父様が阿蘇の噴火口に投げ込んでしまったじゃないか」

「君もほんとうのことは知らなかったんだね、――敵と戦うために、君にもほんとうのことを知っておいてもらいたいな、このさいくわしく話しておこうよ」

狩屋三郎はそう言いながら、席を起って入口の扉から廊下を見渡し、それから窓の外に首を出して、冬の日が美しく射している真昼の庭をながめて、元のイスに帰りました。

「もうお昼よ、私たちはお暇しましょう、馬ちゃん」

幸子はつつましく立ち上りました。従兄同士の内緒話に、遠慮をしようという心持ちでしょう。

「いや、いいんです。幸子さんも馬吉くんも聴いて下さい、どうせこのはなしは、悪者たちも知っていることで、秘密でも何んでもありません、新聞記者を呼んで新聞に書いてもらってもさしつかえないことです、――ぼくはうっかり廊下や窓のそとを気にしましたが、