Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきがくせい
乞食学生
Lesen Sie 乞食学生 (こじきがくせい) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.682 Zeichen · 68 Bildschirme
妙な癖があるんだね。」笑いもせずに、そう言い放って、その文庫本を熊本君の膝の上にぽんと投げてやった。
熊本君は、気の毒なほど露わに狼狽し、顔を真赤にして膝の上のその本を両手で抑え、
「軽蔑し給うな。」と、ほとんど聞えぬくらいの低い声で言い、いかにも怨めしそうに佐伯の顔を横目で見上げた。
私は部屋の隅にあぐらをかいて坐って、二人の様を笑いながら眺めていたが、なんだかひどく熊本君が可哀想になって来て、
「里見八犬伝は、立派な古典ですね。日本的ロマンの、」鼻祖と言いかけて、熊本君のいまの憂鬱要因に気がつき、「元祖ですね。」と言い直した。
熊本君は、救われた様子であった。急にまた、すまし返って、
「たしかに、そんなところもありますね。」赤い唇を、きゅっと引き締めた。「僕は最近また、ぼちぼち読み直してみているんですけれども。」
「へへ、」佐伯は、机の傍にごろりと仰向きに寝ころび、へんな笑いかたをした。「君は、どうしてそんな、ぼちぼち読み直しているなんて嘘ばかり言うんだね? いつでも、必ずそう言うじゃないか。読みはじめた、と言ったっていいと思うがね。」
「軽蔑し給うな。