Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちをさす
乳を刺す
邦枝 完二
Lesen Sie 乳を刺す (ちちをさす) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.474 Zeichen · 35 Bildschirme
もう恐ろしさに、誰を起こす考えも出ませず、あわてて、逃げて帰ったのでございます」
「そうじゃあるめえ。おめえは、お春にそそのかされて、太え料簡を起こしたんだろう?」
「決して、そんなことはございません。わたしは、お春のような勝ち気な女は、大嫌いでございます」
今まで堪えに堪えていたのであろう。平太郎の眼からは、急に涙が頬を伝わった。
「よし、これからおめえの、親父に逢おう。おい竹。ここの旦那に、おいらア一巡りしてくるからとそう云って来ねえ」
いきなり立ち上がった伝七は、平太郎の手首を掴んだ。白く丸味を帯びた平太郎の腕は、女のように優しかった。
赤トンボ
「親分、そう急がなくっても、いいじゃござんせんか」
「馬鹿野郎。御用中は忙しい体なんだ。てめえにつき合っちゃアいられねえんだ」
「でも、平太郎は、ホシじゃアねえんでげしょう」
「だから、なおさらじゃねえか」
「お由利さんの部屋へ、忍んで行った奴を、挙げねえんなら、まアぼつぼつやるより他にゃ、仕方がござんすまい。どっかそこいらで、一と休みしようじゃござんせんか」
「竹。おめえ休みたけりゃア、いつまででも、そこいらで寝てきていいぜ」