Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちをさす

乳を刺す

邦枝 完二

Lesen Sie 乳を刺す (ちちをさす) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.474 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

十年の長い間、病床に引き籠ってはいるものの、以前は松平伊予守の典医を勤めていた真斎とて、その言うところは、人柄をしのばせるものがあった。

「で、お嬢様は、どちらへお出ましでござんしょう?」

「あれは、わしの使いで、四谷の親戚まで出向いたが、八ツまでには、帰って来るはずじゃ。わしで判ることは、何でも話して進ぜるが……」

「いえ、そんならまた、お帰りの時分に伺いましょう。どうぞよろしく、申し上げておくんなさいやし」

背筋へ水を注がれる思いで、言葉を交わしていた伝七は、ふと気付いたことがあるままに、早々にして席を立った。

お俊の知恵

「なアお俊。柳下亭の読みものかなんかで、見たような気がするんだが、女同士が夫婦のように想い合うなんてことが、本当にあるもんなのか」

「さア、どういうもんでしょうねえ。何かあったんですか」

黒門町のわが家へ帰って来た伝七は、茶の間で、女房お俊の、茶をいれている姿を見ながら、突然言葉をかけた。

「うむ。ちょいと困ったことがあっての」

「あたしゃ、そんなことは知りませんけれど。……富本のお稽古に通ってた時分、御師匠さんとこへ来る羽織衆が、そんな話をしていたことがありましたよ。