Japanische Klassiker mit Furigana
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よしんちょうしょ
予審調書
平林 初之輔
Lesen Sie 予審調書 (よしんちょうしょ) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.371 Zeichen · 23 Bildschirme
「では、あなた方は、狂人の言葉をそのままお取りたてになるのですね。事実の証拠よりもとりとめもない狂人の言葉の方を重んじなさるのですね。わたしは正義のために忠告します。裁判所がありもしない証拠を捏造するようなことは、まあおひかえになった方がよいでしょう。」
「これはしたり、御子息は今も申し上げたように、全く精神に異状などは認められません。それに、裁判所は決して証拠の捏造などはしません。物的証拠と被告の陳述とを照らしあわせて、この二つが合致した時に犯人を決定するのです。しかしこの二つが合致しているのに、被告の精神状態を疑っていたりしていた日には、裁判はできませんからねえ。でも、こんどの事件は、もともと過失ですから、御子息の罪は大したこともなかろうと私は考えるのです。が、検事の方ではこの事件を過失と認めておらんようでもあり、それに検事の言い分にも聞いてみれば一応道理があるのでしてね……」
「では、せがれが、故意に大それた殺人を犯したとでもいうのですね、過失でさえもないというのですね。それでせがれの陳述と物的証拠とやらがぴったり合致しているというのですか? そういうはずはありますまい。