Japanische Klassiker mit Furigana
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よげん
予言
久生 十蘭
Lesen Sie 予言 (よげん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.000 Zeichen · 27 Bildschirme
夕方、チャイム・ベルが鳴ったので、食堂へ出ると、一等の日本人は安部と知世子の二人きりで、食卓はチンダルという墺太利公使館の書記官と、マカオの名家だというフェルナンデスという若い葡萄牙人の四人の組合せになっていた。夫婦も、とりわけ新婦ということになると、水入らずで二人が組みあうようにはからうのが普通だが、婦人客の少ない航海だったので、知世子のような若い美しい夫人を、亭主だけに独占させておくのは公平でないと、事務長は考えたのかも知れない。チンダルは墺太利の古い貴族だそうだが、いつも固いカフスをつけている作法のやかましいやつで、話といえば宗教論ばかり。フェルナンデスのほうは、揉上げを長くし、洒落たタキシードを着、うるんだような好色じみた眼をもったジゴロ風の色男で、立つにも坐るにもうやうやしく知世子の手に接吻し、支那からマカオをひったくったアルヴァーロ・フェルナンデスは私の大祖父で、銅像は、いまもマカオにあります、などと愚にもつかぬことを口走るので、安部は最初の一日から食慾をなくしてしまった。
外国船の生活は、一人で孤独を楽しむようなことは絶対に許さない、念入りな仕組みになっているもので、九時の朝食にひきつづいて十一時のビーフ・ティ、一時の昼食、三時のアイスクリーム、五時のお茶、七時のアペリチフ、八時の正餐、十